イタリアワインの格付け(DOCG, DOC, IGPの等級)
イタリアで生産されるワインは、原産地呼称管理法(DOC:Denominazione di Origine Controllata)と呼ばれるイタリア国内のワイン法に基づき格付けがなされています。ワインブランドの保護や国際的な輸出促進を図るべく、ワインの品質を保証し、消費者に正しい情報を提供することを目的とし、ルールを定めています。このワイン法は1963年に制定され、上位からDOCG、DOC、IGT(1992年に追加)、VdTに分類されています。
その後、EU内における原産地名称保護制度が2008年に改正され、イタリア国内のワイン法もこれに従いDOP、IGP、Vinoの3分類に変更されました(2010年5月施行)。一方で、現在でもDOCGやDOCを使用することも引き続き許可されているため、イタリア国内では新旧の分類が混在して使われています。
最上級のランクから以下の通りとなります。
2009年以降はDOCGとDOCをまとめて
DOPの下に、
がありますが、こちらも2009年以前の呼称は
です。IGTの下の格付けとなる、Vino、旧VdT (Vino da Tavola)でテーブルワインの意味です。使用品種や生産地を表示する義務はなく、DOC申請のないワインとなります。
DOCやDOCGの数について
現在(2021年10月時点)ではDOCは332もあり、DOCGは76あります。つまり、408ものDOPがあるということです。その下にIGPが118あります。今後も増減の可能性はあります。
DOCやDOCGとなる条件について
DOCと認定されるには規定された条件を満たし、審査を通らなければなりません。生産過程全てにおいて規定が定められ、生産地、栽培方法、ブドウ品種、最大収穫量、最低アルコール度数、熟成方法などの条件が細かに定められています。
最上級のDOCGでは更に厳格な規定が設けられており、申請するには最低5年間はDOCに属してなければならないといった条件があります。
IGTはその地域のブドウが最低85%使わなければならず、ラベルには使用されている品種と生産年が記載されます。
DOCGやDOCは高品質のワインであることを保証するものですが、IGPワインが必ずしも味が劣るという意味ではありません。中にはVinoでもDOCGに勝るようなワインもあります。トスカーナ州ボルゲリのサッシカイア(現在はDOC)のように規定に縛られたくないワイン生産者により高品質なワインが造られたケースもあります。
プーリア州はVinoの生産量が圧倒的に多い地域です。プーリア州のようにワイン生産量も生産者も多い地域では現地消費型のワインも多く生産されており、その中にはとても美味しいものも数多くあります。そんなお宝ワインを現地で見つけるのもワインの醍醐味です。イタリアへ旅行に行く機会があれば、是非現地のエノテカ(ワインショップ)やスーパーに足を運び、ワイン探索を楽しんでみてください。