オレキエッテ、パスタ、フィアーノ、プーリアワイン

焦がし小麦のオレキエッテ(Orecchiette al Grano Arso)

焦がし小麦のオレキエッテ(Orecchiette al Grano Arso)

オレキエッテ、ワイン、プーリアワイン
オレキエッテは「小さな耳」を意味するプーリア州でよく見かけるパスタの1つですが、こちらのパスタは灰色!
イカ墨のパスタのように見えますが、この灰色はGrano Arso(ローストした小麦粉)の色で、通常の小麦粉にローストした小麦粉を混ぜて造られています。
プーリア州は小麦・小麦粉の一大生産地。
その昔、収穫後の小麦畑は一度火入れ(焼き畑)がされていました(今は基本禁止されているようです)。
今と比べ食料が乏しかった頃、収穫後に残って・落ちていた小麦のうち、丸焦げになっていない使える小麦を広い集め、石臼や乳鉢で砕き粉にしてパンやパスタを作っていたようです。
 

「黒いパスタ」の再発見

第二次世界大戦後、南イタリアの生活も豊かになり、現在は飽食の時代に。

敢えて焦がした(残った)小麦を使う必要もなくなり、黒いパン・黒いパスタは”貧しい料理”のイメージを彷彿させることから、プーリアの地でも廃れかけていたグラノアルソ。

その後、1989年以降のスローフードのムーブメントもあり、プーリア州(特に北部地域から)でもこのグラノアルソを使用したパン・パスタの価値が再発見されました。

ローストされた小麦粉が加わることで、ローストしたナッツのような香ばしい風味もプラスされ、パスタ自体が深い味わいに。シンプルなパスタソースと素晴らしい相性です!!!

※ちなみに「Pasta Nera 」(黒いパスタ)というタイトルのイタリアのドキュメンタリー映画もありますこの映画はグラノアルソの作り方のお話ではなく、第二次世界大戦後の経済的に厳しかった南イタリアの様子を象徴する単語としてタイトルに使用されています)。

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